4月の入学式。私は怖かった。友達を作るのは普段から苦手。
そんな私にお構いなしに従兄弟の田中 季斗は、隣の席になった男の子と喋ている。
「おい、小梅、小白、お前の好きなアニメやら知ってるらしいぞ?」
そう言って季斗が紹介してくれた男の子が私の初恋の相手が相似 小白だった。
別に格好いい訳でもなく、勉強が特別出来る訳ではない人だった。
だだ彼とはこの季斗の行動で出会った。
季斗が言ったように相似 小白は私と趣味があって、仲良くなった。
「佐野さん?」
「あ、佐野とかでいいよ!」
初対面であまりにもキョドキョドしていてからだろうかな?
気さくに笑った。笑った顔は、中学生になったばかりだろうか、まだ幼さの残った笑顔だった。
「佐野て言うなら小梅でもいい?俺も小白とかでいいから。」
「あ、うん」
そう言って、また、笑った顔は八重歯が凄く可愛いかった。
軽い自己紹介が終った後、小白と私はアニメの会話。
「それ、いいよな?」
「うん、特にこの神との契約、交わすシーンキュンとする!」
この時、初めて自分の趣味を惹かない男子と出会えた。
その事実が嬉しくて、たまらなかった。
数日がたって、小白以外の男子の友達も出来て、女の子の友達も出来た。
でも、自分の趣味と同じ人は小白ぐらいしか、いなかった。
なんとなく、それがうれしかったがその感情が何かまだ恋も知らない私には分からなかった。
また、1ヶ月程立って友達グループが出来て、定着しはじめたころ席替えをした
別に何となくくじ順が回ってきて適当に引くとある意味アンラッキー席だった。
別に教卓の前とか前列とかじゃなくて前と同じ!
ある意味、席替えじゃない!
友達の木村 架夏がドンマイと肩に手を置く
。これは、なった人ではないときつくてわからない!
ブツブツ頭の中で小言を言いながらボーと席に座る。
隣誰だろ? まだ喋った事ない男子とかいるからなー。
そう思ってみんなが自分の机を持つて席を移動するのを眺めている。
ガダンー
私の隣に席を置いたのは小白だった。
「よう!また、近くだなー」
ニコっといたずらぽく笑う。
「小白は、席変わったのにー、私変わってなーい!」
「まぁ、ケチケチすんなって!」
この時は、まだ恋とか知らなかった。
分からなかった。

この席替えで、小白と私は前よりも仲良くなった。
アニメの話、漫画の話、沢山自分の趣味の話をした。
小白は、私の話をよく聞いてくれた。
でも、自分の特定の好きなものの、話はしなかった。
でも、ある日小白から、オススメの漫画の話をしだした。
「なぁ、小梅、キャンディプラネットて漫画知ってる?」
「キャンディプラネット?」
「ああ、少女漫画なんだけどさ、すっげー面白いの。」
「へぇーキャンディプラネットか…」
「お前の漫画の趣味聞いてたら合うかなって?」
「うんー、じゃあ、今度貸してよー!」
「いいぞー!持ってきやる。」
そして、小白は、約束通りキャンディプラネットを持ってきてくれた。
「ありがとう!」
「いえいえ、曲げんなよー!」
「わかってますー!曲げたりしませんー!」

小白に借りたキャンディプラネットの内容は、中学生で出会った仲の良い男女が色々あって仲違いになるが、また、巡り会えて両想いになってまた、色々あると言う話だ。
自分好みの話だったしおもしろかった。
読み終えた後は「あ〜、いつか、こんな恋をしたい。」と思った。
そして小白に返した後はまったので買ったりもした。
小白が自分の趣味の話をしたのはこれっきりでもうそれ以降はしなくなった。
そして、

次の日。案の定やっぱり誰かに見られていた。
なんで人ってこんな噂とかすきなんだろ?
聞こえないようにトイレで井戸端会議していても聞こえてるよ!とツッコミたくなる。
「でもさー、相似でしょう?アイツ顔いいけど性格暗いよね。」
「確かアニオタだっけ?」
「うんー、うちはちょと無理だわ……」
おーい!オタクじゃないし、本当のオタクの方が聞いたらぶっ殺されるよ!
「でもさー、相似って、和ちゃん好きなんだったよねー」
和ちゃん。宮野 和音。同じクラスの可愛いくて面白い女の子。
私も大好きな女の子だ。
「和ちゃんかー、」
井戸端会議をしていた女子たちもさっていた。
てか、マジで中1の会話かよ!怖いわ!
心の中でツッコミを、また入れる。
好きな人いるんならあんまし関わらない方が良いかなー?
そう、思って心の中で一つ決心する。
これから、あんまし関わらないおこう。
このすってぷが大人になる階段かー。
寂しいような、寂しくないようなー。
まぁ、いいや、