「高野先生の誕生日?」
「そう!29日なんだって」

クラス発表の日からわたしは目標を決めた
それは【高野先生と仲良くなること】。
っと言っても先生に話しかけるだけなんだけど。
でもその成果があって、こうして誕生日をききだせたんだけど。


そしてそれを(授業中に)古谷に報告しています。
「へえ、それで?なんかすんの?」
「うん、とりあえず手紙でも書くつもり。古谷もさあどう?」
「は?」
ひとりで渡すの恥ずかしいし、なにより
古谷は先生と仲がいい。
だから安心して渡せるかなあって思ってる。
本当は一人で渡すのがいいってわかってる。
でも……。
今更ながら、自分の小心者っぷりに呆れる。

「うるせーぞお」

科目の先生がザワザワしているクラス全員にいう。
だから必然とわたしたちのおしゃべりは終了になった。

おかしいなあ、わたし。
恋をするまでは、こんな小心者じゃなかったのに。

恋って人を変えちゃうんだな。
知らなかった。




「俺も、渡すよ。先生に」
授業が終わったあと、古谷はそういってくれた。
「えっ、ほんと!?」
「うん」
「ありがとう!!」




先生の誕生日まで、
あと一週間。