2年に進級すると、クラス替えがある。

うちの学校はめちゃくちゃ人数が多いから、
クラス発表は全員に紙が配られて、その中から自分の名前を探すシステム。

「しっかり確認しなさいよー」
っていう担任の先生の声を最後まで聞かずにクラス発表の紙を表に向けた。


藤崎、藤崎、ふ、じ
「あった」
2年4組の列の後半にわたしのなまえがある。
あとは担任かあ。
担任の先生の発表も同じ紙に書いてあるそうだから視線をずらせばある。
でも……。
もしもちがう人だったらどうしよう、先生じゃないと嫌なのに。


意を決して担任の先生を確認することにした。
スルスルと視線を動かして、担任の先生を発表している欄を見た。

2年4組
村上優平

えっうそ。
誰?こんな人前はいなかったから新しく入ってきたの?
っていうか高野先生は?
「おい」
「え…!?」
「大丈夫かよ?」
「せ、先生のクラスじゃなかった!」
男子で一番最初にわたしが高野先生を好きだと告白した相手。
小学6年生からの付き合いの古谷章(ふるたにしょう)がわたしの顔を覗きこむ。
ほんの少し、心配してる顔つきだった。
「俺もおんなじクラス」
「あ、まじ!?沢田は?」
「ちゃんと見とけよー、あいつは5組。」
「じゃ隣か…」



結局高野先生は6組の担任だった。
いままでは階が違っていたから、まだましかな……。
さすがに理科は教えてくれるよね?


「たっ高野先生!」
「んー?」
「先生って4組の理科教えますか?!」
帰りのホームルームが終わってからダッシュで高野先生に聞きに行ったわたし。
すると先生は、なに言ってんの、と言って。
「4組の担任の先生は理科の先生だろ?」
「え……!!??」







藤崎千尋、早くも中2生活終了のお知らせです………。