俺は素直に嬉しい。
神様、ありがとう。まじで感謝してる。


近づいてくる羽海に目を移すとご立腹の様子。

教室にいる人たちは嬉々とした声をあげているというのに、苛立っている羽海はまるで場違いだ。


「うわ、羽海の前かよ」

空気読めているけど、読めていないような俺の言葉に羽海は。


「私だって嫌だっつーの。場所はいいのに周りの人が、ね」

その後の言葉は言わなくても、いいものではないというのはなんとなくわかる。

ってか、俺「嫌」なんて一言も言ってねーし。



羽海は言葉の最後にふんっと小馬鹿にしたような鼻笑いを付け足した。