そう言って夏樹は椅子から立ち上がり教室を出ていった。


話す相手がいなくなった僕は自分の席に戻ろうとした。

そう、戻ろうと。
でも実際は戻っていない。何故なら。

「川井くんってお兄ちゃんと2人兄弟なの?」

羽海さんが話しかけてきたから。

今は夏樹がいないから殺されはしないだろう。


「いや、妹もいるから3人兄弟だよ」

「お兄ちゃんとか妹とは何歳離れてるの?」

「僕が15歳だから兄貴は3つ上の18歳。
妹は3つ下の12歳の中1」

「へ〜そうなんだ〜!」