「今日はハンバーグよ。折角作りたてなのに、早く食べないとあんまし美味しくなくなるよ?」
今日の夕食は私の大好きなハンバーグ。それを聞いただけで、お腹が反応して空腹を訴えだした。
「お姉ちゃん、早く食べようよ~~。私、お腹空いた!」
立ち上がり、お姉ちゃんを引っ張りあげる。お姉ちゃんはやれやれという表情で立って、私の隣に並んだ。
「ねえ、お姉ちゃん。お姉ちゃんのハンバーグちょっとちょうだいよ。私、大好物なの!」
「だめよ。真希には真希の分。真理には真理の分をちゃんと用意してるんだから。」
私のお姉ちゃんへのお願いは、何故かお母さんに却下される。もう、お母さんに聞いてるんじゃないのに、ちょっと黙っててよね。
『真希には、真希の分。真理には真理の分』っていう言葉が、どうしてだろう、心にひっかかる。
真希は、真希。真理は真理。私はわたし。お姉ちゃんはおねえちゃん。
そうか、そうかそうか!!私に足りないものっていうのはそういうことだったんだ!!

