嬉しかった
お姉ちゃんが、私の拍手なんかに泣きたいくらいに喜んでくれていたことが。
悔しかった
ちょっと嫌なことがあったくらいで、すぐ諦めそうになってしまう自分自身の心の弱さが。
泣きながら決心した。もう一度、前を向いて頑張ってみようって。
決心したからって、急にバレエが上手くなったりすることはないけれど、諦めずに頑張ることはできるはずだ。
しばらく泣いた後、顔をあげた。もう涙は止まっていた。生温い夏の風が、私の頬を撫でると、涙が流れた跡の部分だけ、ひんやりとした。
「こら!真理も一緒に何やってんの!?ご飯ができたから、真希を呼びに行ってって頼んでたでしょう!!」
草を踏む音がまた1つ増えたかと思うと、後ろにはお母さんの姿。怒った表情で仁王立ちしていた。

