男は、メグの意外な若さに驚いたらしく、彼女が故意に直そうとしない肩紐のはずれたスリップからのぞき見える胸に素早い視線を走らせ、うろたえたように眼をそらせた。

メグは、男の反応に満足し、そのままの姿勢で微笑を浮かべつづけた。

「赤ちゃんを黙らせろよ。みんな起きてしまうじゃないか」

男は狼狽を見せまいとして、声をあらげて言うと、激しい音をたてて戸を締めた。メグはがっかりして、未練がましく隣室の気配に耳を澄ませたが、男は手洗いにでも行ったのか足音はそのまま廊下を遠ざかって行った。