前金で三千五百円払い、メグはようやく二階へ案内して貰った。 階段を上ると廊下が真直ぐに通っていて、 その両側に小部屋がいくつも並んでいる。 メグが通されたのは、階段のとっつきの手洗いの隣の三畳間であった。 板戸をあけると、ベニヤ張りの壁に火の用心の札や料金表が貼ってあるきりで、 納戸のような、殺風景な部屋である。 押し入れがなく、部屋の隅に蒲団が重ねてあり、 その上にクレープ紙のカバーのかかった垢染みた坊主枕と、洗い晒してレースのように透けているシーツが置かれていた。