優介がライトバン式の霊柩車から小さな棺をおろしてきた。 こんな小さな棺は、場末の小規模な葬儀屋では常備していない。 連絡があってから慌てて同業者の木下から譲り受けて来たものである。 霊柩車も、白木の彫刻をほどこしたものや漆塗りのを持ちたいのだが、 それを買う資金がない。 またどうせ実那の店に持ち込まれるような葬儀は、 大半がライトバンで間に合うのであった。