エスカレーターに乗って時計売場まで来たメグは、 自分が一番欲しかったのは時計だったと思い、 クローム側の丸型の安い時計を買った。 模造ダイヤをちりばめた金側の時計に目を奪われたが、 到底手の出る値段ではなかったしどちらも小さな容器の中に複雑な機械がはいっていて、一秒一秒正確に時を刻むという点では変わりがない。 メグは、未開人がはじめて時計を手にしたときのように興奮し、 殆ど五分置きに腕を眺めて時計の針が動いていることを確かめた。