「遠慮はしないで、誰もいないから」 メグは、狸のようにふちどりした眼にせいいっぱいの媚をたたえ、躰をくねらせて言った。 若者は気さくないつもの彼に似合わず怯んだ表情を浮かべながら、 「せっかくだけど、今日は忙しいんだ」 と勝手口から出て行こうとした。 メグはたたきに飛び降りると、半分開けたままになっていた扉を後手に締め、 目を閉じて顔を仰向けた。