化粧が終わると、夫人はメグに手伝わせて着換えをする。 これは、メグの最も気に入っている仕事であった。 このごろでは腰紐や伊達巻きなどを渡すタイミングものみこみ、 帯を結ぶ手伝いも出来るようになった。 が、夫人の出掛けたあと、部屋中に拡げられた衣裳の後始末をすることは億劫なことであった。 単純な作業であるのに、衿がうまく重ねられなかったり、 折目がずれて妙なところに皺が出来たりしていて、 次に畳紙を拡げた折、夫人から叱責されるのが常であった。