メグは、いつも夫人が化粧をしている傍に坐り込む。

さまざまな化粧品がその衰えかけた皮膚の上に重ねられるにつれ、
驚くほど変貌してゆくさまを見ているのが好きなのだ。

叱られても、叱られても、メグは与えられた仕事を放り出して夫人の化粧に見入っている。

それは魔法か奇術のように、メグの心を魅了してしまうのである。