木枯らしが、林の中を吹きぬけて行った。 小さな白木の棺が、足の方から先に霊柩車の中へ運び込まれた。 寒い季節でも、三日間も放置された死体ははや腐敗がはじまっていて、 今更ドライアイスを詰めてみても間に合わない。 火葬を先にして、葬儀はそのあとになる。 優介は運転台に乗り、実那は棺と一緒に後扉から乗り込んだ。