「...シイ。シイだよ、私」


「...シイ」


彼...ライに呼ばれただけでこんなに自分の名前を好きになれるなんて思ってなかった。




まだまだ私たちは、お互いのことを全然知らない。


やっと今、名前を知ったばかりだ。


だけど、これから知っていることを増やしていけばいい。


ゆっくり、私たちのペースで。


それが、私たちの「恋」なんだと思う。




「...好きだよ」


彼がそう言い、私と彼の距離は0cm。


仄かにコーヒーの味がした。




〇...end...〇