「...あのさ」


「...ハイ」


「たぶん俺もあんたと同じ気持ちだよ」


同じ...気持ち......?


一瞬頭が真っ白になった。


「俺、あんたより大分年上だと思うし、あんたから見ればオッサンかもしれない。いろいろ大変だと思う。それでもいい?」


「わ、私...貴方から見たらガキだし、可愛くない。だけど...」


『好き』


そう言うと、彼からカウンター越しに抱きしめられた。



「ライ」


「え?」


「ライだよ。俺の名前」


ライ、ライ、ライ。


やっと知れた彼の名前。