退院後、マンションの下を探してみましたが、あの紙飛行機はありませんでした。
誰かが拾ったのか、捨てられたのか……
はぁ…………
小さな溜息が出ます。
ナナちゃんは誰もいなくなった向こう側の窓をずっと見ているのでした。
日が経っても窓を覗くクセは
なくなりません。
もしかしたらお兄ちゃんが
帰ってくるかもしれない………
そんな風に思うのでした。
それから何日かして
老夫婦が引っ越してきました。
あの窓に違う色のカーテンが付けられると
もうお兄ちゃんは帰って来ないんだなぁ…………
そう思うのでした。



