「えーじゃあ今から赤団の練習始めるぞー」
「まずはグラウンド5周するか」
優也先輩がマイクを持って階段の上で言った。
えっグラウンド5周!?
1周800mもあるから合計4kmってことになる。
しかもこの炎天下…。正直今立ってるだけでもけっこうキツいのに…。
うぅーやだぁ。
「んーじゃあどーすっかな。全員女子も男子も30分以内には走り終わるのでいっか。もし一人でも走り終われなかったやつがいたらまた走らせるからな。」
そんなっ。無理だよそんなの。
「涼太、お前タイムと走った記録つけてくれ」
「分かりました。けど俺走らなくていいんですか?」
「あーいいよ。お前は前走ったから。」
「おーい、じゃあみんなスタートラインに並べー。当然やけどお前ら女子は前にしろよ。男子は女子の後ろに並べよ。」
「ゆうやー、そしたら俺30分以内に走れねーかもしれねーよー」
男の先輩が少し笑いながら優也先輩に言った。
「ははっそしたらもー1回走ることになるわー」
「くーーゆうやーの鬼ー」
「よーしじゃあ始めるぞ、よーいスタート」
パァン
うっはぁはぁ。
やばい。頭くらくらする。
あっ…
ずしゃっっ。
「ひ、なの?おい、陽菜乃っっ」
んっ。
ど、こ?
「陽菜乃っ、大丈夫か?」
「涼、太。ここどこ?」
「保健室。陽菜乃お前いきなり倒れるかほんまびっくりした」
「あっそっか。私走ってて倒れたのか」
「ったく。やばかったんなら倒れる前にちゃんと言えよ。はぁーまじびびった」
涼太。
心配してくれたんだ。