学校の登校とは、とても憂鬱だ。まぁ~、高校までは約1キロ程度だが歩くのはめんどくさいのだ。だが、ふと見上げる空の青さは嫌いじゃない。そんなことを考えながら歩いていた。
「おーい、弘人!」俺を呼ぶ声が聞こえた。幼なじみの杏だ。
「お、おう、おはよう。」毎朝こんな感じだ。杏とは昔からの馴染みでいつも一緒に学校に行っている。周りからはカップルだと噂されるほどだ。まぁー、お互いそんなことは気にしていない。
「ねぇー、弘人昨日のドラマ見た~?」
「お前が見れ見れ、うるさいからな。じっくりと見てやったよ。」
「で、どうだったの?感想は?」
「あー、あそこで主人公はもっと、ガンガンいけばいいのにな」
と、いつも通りのくだらない会話だった。
「弘人は、ガンガンいけないくせに」
「えっ!」俺は正直その答えを想像はしていなかった。
すると、杏は「ふふ、なんでもないよー」
少しドキドキしてしまった。
今日の杏は少し違っていた。
「ねぇー、それより知ってる転校生がくるの」
「それは、初耳だな。女子か男子か?」
「さぁーてそれはどっちでしょう」
曖昧な答えを出されたが正直どちらでもよい。
俺には関係ないことだから。
だが、朝となにか違っていた。