「…やめて…!」


少し喋れるようになったあたしは精一杯の声でそう叫んだ。


叫ぶほどの声も出ないんだけど…


でも璃はやめてくれた。


そして腕を離してくれた。


フラフラなあたしは背中が当たっていた本棚にもたれかかりしゃがみこんだ。



もう。やだよ…


璃がこわいよ…


璃はそのまま図書室を出ていった。