「あらあら、お熱ですねーお二人さん!」

火照る私の前に、柴田くんが冷やかしてきて、後ろのナツキを見れば嬉しそうに笑う。柴田くんの冷やかしを、ナオトくんは怒っていた。そろそろ帰りますか。というナツキの言葉に、みんなで頷いた。
揺れる揺れる電車の中で、席の場所を変えて、ナツキと柴田くんを隣にした。これは、ナオトくんと私の配慮でもある。
必然的にナオトくんの隣になった私だけど、やっぱり胸がキュっとなる。
ナツキと柴田くんは笑い合ってる中で、私たちは沈黙が続いた。ぼーとしていると、ナオトくんが沈黙を破った。

「水着、似合ってた」

照れながら言うナオトくんに、私の顔も赤くなるんだ。ナオトくんかっこよかったよ。そう言えればいいのに。頷くことしかできない私を、こんなに嫌に思ったことはなかった。