「うわ、ユリもA組っすかー。」 「ナツキと同じクラスでよかったよ。」 「いやでもさー、みてみ?ここ。」 ナツキに指された名前を見れば、 "瀬川 ナオト" と書かれていた。 瀬川と言えば、一年生の時からの 有名人で、先生と喧嘩はするわ、 気に入らない奴がいたら潰すやら、 あんまりいい噂はなかった。 私とナツキは顔を見合わせて、 ギョっとする。コイツは敵に回さない ようにしよう。二人で決めた暗黙の了解だった。