「そ…らとせん…ぱい…」
広い教室には宙斗先輩しかいなかった。
もう、HRが終わってだいぶ経つから
宙斗先輩以外のクラスメイトは帰ったみたいだ。先輩は私に背を向け、
窓の外を見ている。
あ…そっか…宙斗先輩は雲より
空の方が好きなんだっけ。
どうせ話せない。無視される。
さっさと挨拶して帰ろう。
「先輩…さようなら」
お辞儀をしてドアを閉めようした。