ずっと、傍にいてよねっ!

 「菜緒だけど。



 今、友達のケータイ借りてるの。



 昨日は無断で外泊しちゃったんだけど、あの人たち何か言ってた?」




 私がそう聞くと、尋はそっけなく『別に何も。』と答えた。



 
 少しだけ、さみしい。



 『別に心配もしてなかったし、むしろ…。』




 「むしろ?」



 『二度と帰ってこなくていいって、言ってた。』




 時間が、止まったように感じる。




 「そっ…、か…。アハハ、そう、だよね!



 ホントに帰る気ないけど、警察に届け出したりとかしないでよ?



 今度、荷物取りに帰る。」




 そう言った瞬間に電話が切れた。