「私、帰るから」



 そう言って俺たちの前から立ち去った菜緒の背中を見えなくなっても見つめ続ける
浅葱が、俺の前にいた。


 どれほど時間が経ったか分からないくらい。




 まるで、好きな女と別れるのを惜しがるような浅葱の目。




 辺りはもう暗くなっていた。