この列車は恋人駅行きです。




ランチタイム。



「「え、あの王子がスイーツ王子だった!?」」



スイーツ王子に取材に行ったことから朝のことまで小彩と華ちゃんに話した。



私の話を聞いてずっと不機嫌だった華ちゃんはいきなり興味津々な様子に切り替わった。



いつもクールな小彩も華ちゃんと一緒になって食いついてきた。



「やっぱりこれは運命ですよ!センパイ!
王子とくっつきなさいって神様も言ってるんですよ!」


「い、いや神様が言ってるかどうかは分からないけども…」



たぶん神様はそこまで言ってないと思う。



「でも朝に夏純に異様にくっついてくるってチャラいね王子」


「そうなの!王子は見た目と声はいいんだけど、話すととにかくチャラいの!」



さすが小彩。
私が一番言いたかったことを理解してくれた。



朝電車で遠野さんと話していて思ったのはとにかくチャラいこと。



南条さんはどこの高校・大学出てるの?

南条さんは普段何してるの?

趣味は何かあるの?



もう質問が合コンの定番の質問だったし、何より私のことばかり聞いてくる。



第一印象は王子だったけど、徐々にチャラ男へと変わりつつある。



やっぱり巷でスイーツ王子なんて騒がれているから、女性に苦労してないんだろうな。



だからああいうチャラ男が育つんだ。