私はすぐさま首を横に振る。
「それはないから。
これで王子とどうこうなんてないから」
数秒経ってから華ちゃんの驚きの声と小彩のため息が同時に聞こえた。
「センパイなんでですか!
これはチャンスですよ!今度の合コンしなくてイケメンゲットできるチャンスです!」
「いや、そもそも合コン出るなんて言ってないよ?
華ちゃん勝手に話を進めないで」
華ちゃんは椅子に座ってあからさまに落ち込む。
そんなに落ち込まれてもゲットするつもりないし……
「チャンスだと思ったらのめり込まないと。
年下興味ないとか言ってる場合じゃないよ、あんた。
このままだと孤独死するよ」
「それは小彩もでしょ。
私だけみたいに言わないでよ」
孤独死は辛いけど、自分は孤独死にはならないと言ってるような小彩の言い方に腹が立つ。
絶対、小彩(こいつ)よりも先に結婚してやる。



