夢であれ

「………速水が…いなくなるのは悲しいよ」

『だったら…』

「逝けなくなるのも悲しい」

私は榊原くんと目を合わせられずにいた

「………速水は俺の事好き??」

『っ……違うよ!!!!…好きになりそうで怖いの…』

私が生きていたら上手くいっていた

きっとどっちも悩まずにすんだ

「……よしっ…真相探ろっか」

『………え??』

膝をパンっと鳴らして立ち上がる榊原くん

「……そばにいろなんて言わない。俺は速水を見送るよ」

その瞬間涙がこぼれた

『っ…ずるい…榊原くんはずるいよっ…私は…体はなくても心はあるもんっ………………………………ありがとう』

榊原くんは触れられない私の頭に手をのせた

「泣くなって…な?」

温かい…

そう思った。触れられていないのに…

『ずっるいな~!!!もうっ…超悔しい。』

「バーカ」

そう言ってはにかむ榊原くんが

とても輝いて見えた