「ばーか!いるわけねえだろ!」 トウヤはいつもどおりの笑顔を浮かべて私の頭をポンポンしてくれた。 「ほ、ほんと?でも、見たんだよ、女の人と小さい子と三人の楽しそうな写真…。」 トウヤのことは信じてる。 それでもあの写真の存在だけが私の胸の中で引っかかっていた。 「あ~、あれな、母ちゃんと弟。」 少し恥ずかしそうに頭を掻いている。 「えっとな、ちょっと前に父ちゃん再婚したんだよ。 そんで、あの子供はその二人の子ってわけだ。」