一輝君はゲームを飽きたらしくやめて、自分の話をしてくれた。
ゲームが大好きだとか、実は中学3年生だとか、誕生日は七夕だとか、炒飯が好物等々‥‥。
だけど、自分の家族の事と、病気のことは全く話してくれなかった。話難いだろうし‥‥。
「舞はどうなんだ?」
声で会話ができないので、やりとり専用のメモ帳にシャーペンで書いた。
『年齢→15 学年→中3
誕生日→3月3日
好きな食べ物→リンゴ
好きなこと→楽しいこと(物語とか、ゲームもかも‥)』
そう書いて見せると、彼は顔をパワァと明るくさせ、「俺と同じ年じゃん!しかも、舞も誕生日が行事の日じゃん!共通点があってなんか嬉しいぜ!」と笑いながら言った。
そんな、嬉しいだなんて‥‥言い過ぎじゃない?と思ったけど彼の笑顔を見ると本気で言っているみたいだった。
なので、私も嬉しくなって自然と笑顔になった。
心も温かくなった。
久しぶりだな‥‥こんなに温かいの。
いつも独りだったから‥‥。
「舞?」
はっ!ボーッとし過ぎた。
口パクで『なんでもないよ』と言い、首を振った。
「ははっ、舞って面白いな!」
私が面白い?
私は一輝君が面白いと思うけど‥‥。
疑問過ぎて、首を傾げた。
