それから数日後の事、私はいつものように暇をしていた。
本当だったら、今頃は受験シーズンだ。私の得意科目は国語だっけ?
や、
お父さん、本買ってきてくれないかなー‥。あ、でも忙しいよね‥。
等々の事を考えていた。
「おい、舞っ」
え、誰?男の子の声だよね?
でも、聞いたことのあるような、無いような声。
振り向くと、ドアの近くにあの無邪気な笑顔をしていた男の子がいた。
名前はなんで‥‥あ、病室の前に貼ってあるプレートを見たのか。
「暇だから遊びに来た。
安藤さんから聞いたぞ、お前、声が出ないみたいだな」
そう言うと何かを投げた。
それをキャッチするとニカッと笑った。
‥‥ゲーム機だ。これ、私が欲しがってたやつじゃん。
「だからこれで一緒に遊ぼうぜ。
使い方は俺が説明するから」
大きく頷いた。
久しぶりにゲームをするし、同じくらいの年齢の子と遊ぶのも久しぶりで嬉しかったから。
