検査が終わり、自分の病室に向かう途中、開いたドアから見える男の子が目に入った。

無邪気な笑顔で一緒の病室の子とゲームをしていた。


同じ病気持ちなのになんで、そんなに笑っていられるの?
彼の病気はそんなに重くないの?

‥‥あれ?でもパジャマじゃない。
彼は入院している訳ではない‥‥?


疑問を持つと同時に彼に釘付けになってしまった。



「星原一輝(ホシハラ カズキ)君の事、気になるの?」


なんか面白そうな顔で微笑んでいる。
誤解招いてる‥‥。

気になってはいるが、あまり変な誤解はしてほしくないので首を振った。


「そっかぁ、残念!」


何が残念なんだろ?まぁ、いっか。
彼の事はあまり気にしないでおこう。



でも、何故かあの時の無邪気な笑顔はいつまでも頭に焼き付いていた。