男みたいな女ばかり・・・あ、私のことか。唖然とするあまり超冷静に田中さんの演説を聞いてしまった。
「男女平等なんてあり得るわけないのに、頑張っちゃって本当バカみたーい。大体女の子の扱い方をしらないヤツらばかりの所なんてサイテーよ!」
テーブルに両手をついてそうのたもうた彼女に、今度はウィンナーを食べている亀山がぼそっと突っ込んだ。
「一応ね、ウチの会社は男女平等とは言ってねーんだぞ。男女対等ね」
「それが何よ!どう違うの!?」
田島君がまた、なんだこの可哀想な女、という目をして田中さんを見上げた。
彼女はイライラしているらしい。大きく舌打ちをして、そして鞄を持ち上げる。
するとそれまで黙っていた牛田辺さんが、田中さんを見上げて言った。
「ねえ、いくら世間知らずでも、自分の分くらいの金額は置いて帰るものよ」
って。
途端に顔中を真っ赤にして、田中さんは叫んだ。
「あたし財布もってきてないからっ!!!」
そして去っていた。
きた時と同じくらい素早い動きで。まるで、春の嵐のように、周りの全てを引っ掻き回すだけ引っ掻き回して。
「―――――――」
「・・・」
「・・・」



