・・・あー良かった、こんな変わり身を、超多忙の時にされなくて。全部終わった今晩で。ああ、本当に助かった・・・。でないと、私は精神崩壊していたかもしれない。仰天のあまりに。いや、そこまではいかなくてもぎっくり腰くらいにはなっていたかも。
そんなわけで、私もようやく反撃を開始する。
「・・・とって代わるったって、あなた企画は出来ないでしょうに」
すんごーい重労働だよ?
田島君が頷きながら同意する。隣で、亀山も。それから控えめではあったけれども、牛田辺さんも。田中さんは更に不機嫌になったようで、口を尖らせて唸った。
「出来るわよ!そのために男の同僚や上司がいるんでしょ?!」
「―――――は?」
んなわけありますかいな。どんな理屈だそりゃ?
田島君はもう口を開けっ放しで田中さんを凝視している。
「それに、普通はあれだけ外見のコピーをされたんじゃ気持ち悪いわよ?何ていうか・・・個性がなさすぎて変っていうか。会社の皆、私と混同してたもの。可愛く思うどころか迷惑な域よ、それ。田中さんは田中さんの個性で勝負するべきじゃない?」
個性があるのならね、と心の中で付け足す。
彼女は、その返事も気に入らないようだった。気持ち悪い!?と叫んで、ガタンと乱暴に立ち上がる。
「んもう!本当にやってらんなーい!つまんないわ、この会社!めぼしい男もいないし、上司はバカばっかり。男みたいな女ばかりがのさばって、変な場所よ!」



