こんな言い方を田島君はしたことはないはず。私はちょっと驚いて後輩を見詰める。あら、田島君たらどうしたのかしら――――――。
その時、通りすがりに亀山がぼそっと呟いたのが聞こえた。
「片付けてこい。こっちはやるから」
って。
「・・・あ、はあーい」
田中さんは悔しそうな顔をして、しぶしぶ私から離れる。いつの間にか私と同じようにボブになっていた彼女は、最後まで名残惜しそうに私を振り返っていた。
・・・・助けてくれたんだ、皆。
私は力が抜けたあまり、ずるずると廊下に座り込みそうになってしまった。もしかしたら、亀山が田島君と牛田辺さんに何か話したのかも。有り得る、あの二人の表情は、ちょっといつもと違っていた。
・・・・ああ、有難いっす。
タバコもアルコールもない中で、こんなにしんどい3者面談はご免だって思っていた。そうしたら、頼りになるメンバーが田中さんを連れ去ってくれた。嬉しい。助かる。最高~・・・。
私は足に力をいれて、踏ん張った。
なら、正輝は私がちゃんと対応しないと。
アルコールもタバコもないけど。
私は私を支えることが出来るはず―――――――――――



