<little fairy girl in wondertime>


[Prologue]

そこは、北の方のやまあいの村....
冬になると、雪がたくさん降る静かな村。
その村に、ひとりの女の子がいました。


その子は、自然が大好き。
山や、小鳥や、草や花、池や小川も大好きな子です。

朝のお散歩も大好き。


この日も、いつものようにお日様と一緒に起きて
朝靄の草原を、歩いていました。

さく、さく、さく....

春、高原の朝は、凛、と空気が張りつめていて
その、ぴーん、と張っているような空気の中を歩くのが
その子はとても好きでした。


♪pipi.pipi.....♪

小鳥さんが、話しかけます。

その子は、口ふえで答えます。

♪fyu,...fyufyu...fyu?


小鳥さんも、お返事します。

♪ pipi...pipipi....?



うふ、と、その子はにっこりと笑って
小鳥さんに、おはよう、と心の中で告げました。
朝靄の中、すこし、のぞいている青空へと。


♪fyu,...fyufyu...fyu.....


ハミングするように、口笛を吹きながら。
軽く、弾むように。

林の中を抜けて、泉のそばにやってきました。

静かな泉は、鏡のように静かです。


その泉の水を臨み、水鏡に、にっこり。「おはよう。」って

その子は、ちいさな指で泉に触れます。


まるい波紋が、ちいさな泉いっぱいにひろがります....


その、波紋をみながら、深呼吸。

はぁ....。


今日も、いい朝....。



高原の朝、しあわせを感じながら、ちいさく伸び、をします。