名前も知らないあの子

今日は来るかなぁ…
なんて考えながら
夜の街へ向う


いつもの場所
不思議そうな目で見る
人達を振り払うかのようにギターを鳴らす


人も集まって来た
そのとき
遠くからあの子が
歩いてくる


遠目でも気付くくらい
気になっていた

こんな気持ちは初めてで
戸惑いながら歌った

するとまたその子が
話しかけてきた

「またあの歌、歌って!」

「いいよ!でもその前に昨日作った歌があるんだ!
聞いてくれる?」

少し膨れながら

「いいけど、その後は
歌ってね!」

僕は思いっきり
ギターを鳴らす