「あっ!来たわよ加恋!」
「何が来たの…あ、あれ?」
教室で莉子と話してたら、急に私の肩を叩きながら叫び出した莉子。
まぁ、いつものことだから慣れてる事には慣れてるけど、肩を叩く莉子の強さは日に日に強くなるから呆れてしまう。
莉子の指さす方を見ると、教室へ入ってきた2人の男子生徒。
田中宏一(たなか こういち)と、九条裕樹(くじょう ゆうき)。
田中宏一は詳しく知らないけど、九条裕樹は有名な財閥の息子らしい。
莉子や同じクラスの女子、他のクラスの人までもが覗きに来て頬を赤く染めてるのだから、相当な人気なのだろう。
私にはわからないけど。
「ねぇ!加恋はどっちがタイプなの?ねぇ!」
「えぇ?わかんないよそんなの」
2人が席に着くのを見守った後、莉子は必ずその言葉を口にする。
わかんないと言うと....
「うーん私はー....選べないよカッコ良すぎて....!!」
別に聞いてもないのに両手を頬に添えて足をばたつかせる莉子。
…そんなに、かっこいいんだ。2人は。
私は生まれて17年間、恋なんてしたことないからそんなの絶対わかんないんだなって思った。
「九条くんは財閥の息子だし…田中くん…わかんないけど多分大金持ちなんだろうなー…」
あ、お金なの?
やっぱり恋愛とか…
「わ…わからない…」

