貧乏家のお嬢様


「お父様との会話の途中、すみませんでした…」

「大丈夫だよ、丁度時間も時間だったしね。」


学校へ向かう車の中、申し訳無さそうにミラー越しに話しかけてきた岡田。

でも今日は校門の前に簡単に行けなかった。

それは通学ラッシュで私が乗る車の他にもたくさんの車が渋滞してたから。


「お嬢様、どうやら渋滞に巻き込まれてしまったようです…」

「そうだね…いいよ岡田、ここから歩いてくから。」

「え、しかし…」

「大丈夫、遠くないし歩けるから。行ってきます!」

「あっ、お嬢様…」


そんな岡田の言葉も遮り、私は車のドアを閉めた。

すごい渋滞だな、なんて思いながら歩いていると…


「あっ!加恋ー!」


私の友達の有村莉子。

莉子も社長の娘だけど、“お嬢様扱い”が苦手で毎日歩いて登校している。

そして話がよく合う、私の学校1の親友。


「あれ?加恋今日歩きなの?」

「ううん、門の前混んでたから途中から」

「そっか!」


莉子はスタイルが良くて、ショートヘアの似合う、とても美人な子。

「昨日家に着いたらさー…」


話をしている時も、それに一生懸命だからとても可愛く見える。

それに、“お嬢様は嫌”って言い張るから、そういう我が強いっていいな、なんて思う。