そんな風にびくびくしてたら、いつまでたってもなめられて、いじめは悪化する一方なのに。
「泉も、こんな女のどこがいいのかまじで意味分かんない」
「顔と性格がめちゃくちゃ良いからじゃないの」
「あたしは、どう頑張ってもあんたのことは好きになれそうにないわ」
「そんなの私もに決まってる。ボス猿がライオンキングに進化しようが絶対関わり合いになりたくないね」
「はあ!?」
果たしてこの不毛な言い争いはいつまで続くのだろう。そろそろ飽きた。
他のクラスメイトが、作業を進めつつも不安そうにこちらに耳を傾けていること、この女は気付いていないのだろうか。
「……でも、」
「ん?」
不意に至極嫌そうに顔を歪めたボス猿が、何かを言おうと吸った空気を、言いかけたまま何も言えずに、吐き出す。
さっきまでズバズバ好き放題言ってたくせに急に黙るなよ、気持ち悪い。

