偏食系男子のススメ【完】





「……あ、……あった」


「よかったなー」




……って、ちょっと待て。


無邪気に笑う早川に、安心して思わず頷きそうになってから、気付いた。




「……は? 降って来たってなに?」


「え? ……あー、なんか、机に入ってたみたい? です……よ?」


「どの?」




彼が引きつった笑顔で指したのは、最初に早川がチェックした窓側の机だったから、途端に殺意が芽生える。




「……あんた、なかったって言ったよね?」


「いや、……正直藤島が可愛すぎて、ちょっと見惚れてて……あんまり集中して探せてなかったっていう……か?」


「もう一生呼吸すんな」


「それ一生を全うする前に死ぬよね」


「つまり死ね」




最後に一発早川の背中を蹴って、机に激突させてやった。



ざまあみろ、死ね。


捨て台詞を吐いて、音楽室を飛び出す。


ほんっと、散々な目にあった……! まじで死ね!