偏食系男子のススメ【完】





「……何してんのあんた」




ほんとは話しかけたくもなかったけれど、腕に絡まる埃を早川の背中に落としながら聞いてやる。


ほんとキモかった、今すぐお風呂入りたい。虫がいなかっただけまだマシだけど。




「……ごめん藤島」


「許さん」


「まだ何も聞いてないだろ」


「どうせロクなこと言わないんでしょ?」


「……なっ、決めつけんなよ……!?」


「じゃあなに」




訊けば、ゆっくりと顔を上げた早川の背から埃が床に散乱した。あーあ、ここら一帯埃まみれになってしまった。


掃除当番の人は是非、この次からは棚下の隅々まで掃除してほしい。




「……じゃ、言わせていただきますけど」


「うん」


「……なんかもー、喘いでる藤島が可愛すぎて、なんていうか俺……」


「喘いでねーよ」


「屈んだせいで藤島、パンツ見えそうで見えなくて、太股エロいしなんかもう俺……」


「……は、……はあっ!? 何見てんの!? 死ね!」




もう遅いと思っていつつも、スカートを慌てて押さえこんだ。


忘れてた。そこまで気を回してなかった。危ねえ。この変態あの状況でなんてこと気にしてんの……!