なんて考えてブルーな気持ちになっていれば、
「……もしかしてあーちん、イズミールと回るから、きらりのこと避けるの？」
「は？」
突拍子もないことをほざきだすからその小さなお口に砂利でも詰めてやろうかと思った。
イズミールって誰だっけ。と一瞬考えて、ああ早川のことか、と気付く。
「いやそれこそないから。死んでも嫌」
「じゃあ何でえええええ!?」
「川端さんのこと嫌いだから」
「もうあーちんひどい！ このツンデレ美少女！ ばかあっ！」
「デレた覚えねーよ！」
ツンツンツンツンバコッツンツンボコッツンツンツンくらいの割合だと自負しているんだけど。
ちなみにツンの間の効果音は、定期的に私の堪忍袋の緒が切れ、彼女に物理的な攻撃を仕掛けた音だ。
「あ、いた。何やってんのきらり」
「ふぇ!? ……あ、翔ちゃん」
「救世主！ よっ、翔くん！ でも迎えにくるの遅いよ！」
ちょうどいいところに来てくれた。もうこれ以上は川端さんの相手するのきついなって思ってたから。
後光が射して見える。やや遅い翔くんの登場に、私はホッと安堵のため息を吐いた。
