――あんなに嫌がってたくせに、いざ学校祭の準備が始まると皆それなりにやる気になってるから、なんか笑えた。



最初の数日こそ私への悪口が絶えなかったものの、学校祭を2週間前に控えた今日では、なんだかんだ皆進んで作業をしている。



溜まったストレスを私にぶつけることで、幾分か心がすっきりしてくれたのかもしれない。こっちはいい迷惑だったけど。



キャスティングも、派手な男子で主役級を固めたため、女装だのなんだので大盛り上がりの模様。



私以外のクラスメイトで団結して、劇の練習も順調に進んでいった。


小説好きの子が、台本にアレンジを加えたりなんかして楽しそうにやっている。



私としても、楽して勝手に学校祭が成功するなら、実行委員として大変ありがたいし。




「……くっくっく、作戦通り」


「あーちん怖い……」


「何でいんのあんた、違うクラスだろ」




心の中で噛み殺したはずの笑いが、知らず知らずのうちに声に出てたみたいだ。


しかも川端さんに聞かれるとか死にたい。