まあもういいか。言っちゃったもんはしょうがないし。
「うちのクラスは白雪姫の劇をやろうと思います。配役とかでもどうせ揉めると思って、私が考えてきたので一番最初のページを確認してください」
「劇!? 配役って……、出席番号順に適当に名前書いただけじゃん……!」
「台本はクラスちょうどの数しかないんで、各自なくさないように管理して」
「この台本も平仮名ばっかで読みづらいし……!」
そりゃあそうだ。
台本を探すのは面倒くさかったから、去年弟が学芸会で演った白雪姫にしたんだもん。
小学生のために作られたものだから、簡単な展開になっている。
配役は、出席順にしたら王子だけでなく白雪姫やお妃様まで男子に当たってしまったけれど、それは私の知ったことじゃないだろう。
「大丈夫大丈夫、私が用意してあげたんだから、文句は言わせないから。ただ台本に書かれてあることを読めばいいだけ。簡単簡単、バカな川端さんでもできる」
川端さんってだれ、と一瞬クラスがざわめいた。
ごめん川端さん。あなたのバカがうちのクラス中にバレてしまったよ、ドンマイ。

