偏食系男子のススメ【完】





「だから、何やるかいいアイディアあるやつ、提案してください」




しーんと静まりかえる教室。


白けた視線はこちらに向いて、明らかに私を責めて非難している。



皆の気持ちも分かる。私だって、もしじゃんけんで負けたのが私じゃなくて早川だったら軽く3回は首絞めてたもん。



さすがに、自分のせいだと思うとちょっとは責任を感じている。


こういう反応を受けることも想定内。覚悟はしてきた。



困り果てた様子の早川が私に目配せしてきて、しゃあないな、と遂に立ち上がって教壇に立つ。




「やりたいことある人、いませんか」




訊くも、返事はなかった。今日中に決めて、委員会に企画書を提出しなければいけないのに。


私を困らせてやろうと、わざと無視している魂胆は見え見えだ。


そうだと思ってたもの。



――そうだと思ってて、その対策を考えないバカはいない。



あらかじめ教卓の中に入れておいた冊子を取り出して、どさっと早川の腕に抱かせてやった。