あっさり私が認めたことにボス猿は面食らったのか、その不細工な顔から笑みを消したからちょっと気分が良い。



ザマーミロ。委員会なんてサボりまくって最悪の学校祭にしてやってもいいんだぞ。


私に押し付けたこと後悔すればいい。


お前らの楽しい学校祭は私の手にかかってるって今に思い知らせてやる。



くっくっく、と心の中でほくそ笑んでいれば、黒板に学級書記の女の子が、藤島亜希、と綺麗な字で書いてくれた。




「……じゃ、男子の委員は立候補あるかー?」


「はーい、じゃあ俺やりまーす」


「……はあ!?」




私が叫ぶのと、ボス猿の声とが重なって、クラスメイトの視線が私の隣の席に集中する。



それまで机に体を伏せていた早川が、のっそりと起き上がり、右手をひらひらと振った。


それからこっちを見て、藤島よろしく、なんて不敵に笑う。



うわうっぜえ。こんな少女漫画チックに王道な展開求めてないしキモイ。


早川と同じ委員になるくらいならアフリカゾウと相撲をとる方が数百倍マシだ。



……ううん、今はそんなこと考えてる場合じゃないわ亜希ちゃん、こいつの思い通りにさせてたまるか!




「島林くんを推薦します」




立ち上がって、クラスの地味な男子を指さして言った。