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「――藤島さんが良いと思いまーす」




こういう嫌がらせって本当にあるんだな。


黒板に書かれた、“学校祭実行委員”の文字を見て、他人事のように思った。



私を推薦したボス猿が、クスクス笑ってこっちを見ている。


キモイ。そんなに見詰められても困る。どんだけ私のこと好きなんだよ。



――6月上旬、7月の学校祭に向けて早くも準備が始まった。



学校祭実行委員なんて、面倒くさい仕事進んでやりたがる人間なんていないから、体よく私に押し付けてやろうって魂胆なのだろう。


何か問題が起きたら、早川に遠慮なく私を攻撃できるし。


性根の腐った奴らだ。猿は猿らしく猿してろって感じ。




「どうだ藤島ー」




担任が形だけ私に意見を求めてきたけれど、抵抗するのも面倒で、じゃあやりますとだけ呟く。