でも本当に告られて、気まずくなったら嫌だな。


翔くん以外に川端さんの暴走を止められる人ってなかなかいない。


面倒見も良くて、話も合うし、うるさくないし。


今は私も、早川っていう新種の生物まで抱えることになって余裕がないから、翔くんの存在って結構でかい。


そして願わくば、早川のことも翔くんに押し付けられないかなって考えていることは秘密である。


言ったら怒られそう。でもなんとか引き受けてくれないだろうか。



……ていうか、まだ告られてないんだけど。私ったらとんだ早とちりで可愛いんだから。




「藤島」




なんて余計なことばっかり考えていれば、ふと名前を呼ばれた。




「なに、早川」


「……好き」


「ウザい」




思いっきり顔を顰めてやれば、彼は拗ねたように唇を尖らせ、自身のコーラに口をつける。


私の好物を真似しやがって。




その際、

「藤島ってずりー」

とかなんとか意味分かんないことを呟かれた気がしたけど、無視した。